料理歳時記
長月 九月の献立
9月9日は重陽(ちょうよう)と呼ばれ、菊を愛でたり食することによって、長寿を願いました。平安時代には宮中の行事となり、枕草子にも記されています。中秋の名月にあわせススキを飾り、全体をお月見の設えにしました。
作り方
黒豆栗ご飯
1.
栗は鬼皮、渋皮をむいておく。米を研ぎ、昆布、酒、塩を少々入れ、むいた栗を加えて炊く。
※黒の漆の手桶に盛り付け、蒸し黒豆をちらしました。9月の十五夜にあわせ、十五夜の夕餉(ゆうげ)としても映えると思います。
鴨ロース菊花敷と衣被(きぬかつぎ)
1.
鴨胸肉の筋を取り、フライパンで皮から焼き、両面こんがり焼き上がったらまな板にのせ、竹串3-4本で全体をさし、金串などでつるし血ぬきをする。(15〜20分)
2.
酒、みりん、醤油、それぞれ同量を鍋に入れ、煮立ったら血ぬきした鴨を入れ5〜7分程煮た後、火を止めて味を含ませる。
3.
きれいにした衣被を蒸し器で竹串がさっと通るまで蒸す。蒸し上った衣被の上1/3位のところに包丁を入れ、上部の皮だけ取る。
※菊の花を敷き詰めた上に、鴨ロースを乗せました。秋になり鴨も生の物が手に入り、とても美味しくなっています。9月は芋名月とも呼ばれるので、蒸した衣被を添えました。
月見団子、白小豆を添えて
1.
米粉に熱湯を加え、耳たぶ程の柔らかさになるまでよく練り丸める。鍋に水を入れ沸騰したら丸めたものを入れ、5〜8分茹でる。
2.
洗った小田垣商店の白小豆にたっぷりの水を入れ、1〜2回茹でこぼしてから水を入れ、白小豆が柔らかくなるまで煮る。
3.
豆が柔らかくなったらグラニュー糖を2回に分けて入れる。
※丹波篠山産の米粉で、月見団子をつくりました。十五夜と言うことで、15個のお団子です。